田舎侍ランナー 真太平記

福岡県の田舎に住む市民ランナー

「神の領域」

著者:堂場瞬一

【概要】
横浜南部の林で長距離走選手の死体が発見された。担当の検事・城戸は、被害者が所属していた大学陸上部の監督が、学生時代の友人だったことから、仕事と友情の間で苦悩する。事件の背後には、陸上競技界を巻き込む巨大な犯罪が隠されていた……。

【感想】
上司から「面白いよ!」との言葉を信じて読み始めた。
本当に面白かった。堂場作品は、この頃続けて読んで2冊目。1冊目の「チーム」も面白く、2冊続けて読んで、一気にお気に入り作者となった。
上司は、私がランナーということを知っていたので、この本を薦めてくれたようだ。内容は、「チーム」とは違う世界観だが、題材は駅伝だった。「チーム」は美しい駅伝、「神の領域」は哀しい・黒い部分の駅伝だった、ように思う。
内容はもちろんフィクションだが、いつか(もしかしたら現在も?)このような事態にならないかと危惧する気持ちを、読み終わって感じた。

いやいや検察官の視点での物語は、たぶん初めてだったと思うが、知らない世界が垣間見れて楽しかった。検察と警察、検察同士、親と娘、上司と部下、学生時代の恩師や仲間、などなど多彩な人間関係も網羅していました。なかなかの作者です!