「虎の城」
火坂雅志 作
藤堂高虎を主人公にした、歴史小説。
真田氏の伝記を呼んでいて、最後の大阪の役において徳川方におり散々にやられた武将の印象と、以前この小説のあらすじを読んでいて気になっていたという、相反する印象を把握したくて、この本を手にとって読みはじめた。
伝記物というジャンルは間違いないが、内容は現代風に書かれていた。
組織の中での物の考え方。世の中の流れを読むこと。自己の形成、自己変革。
などなど、実に勉強になる内容になっていた。
これも、筆者の意図することだったであろう。
流浪人から、豊臣家の豊臣秀長に仕え、その後徳川家と世の流れが行く中で、いち早く徳川家に意を貫きた。
戦乱の世の中で、実にしたたかに、そして自分を家を、残すために汗水垂らして働いた漢（おとこ）の物語でした。
私の理念では、真田幸村の生き方が好きですが、この藤堂高虎の生き方もまた美しいかな。
なんと、戦国時代は恐ろしい時代で美しい時代なんだろう。
