田舎侍ランナー 真太平記

福岡県の田舎に住む市民ランナー

「監督 挫折と栄光の箱根駅伝」

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著者:川嶋伸次(元東洋大学陸上競技部監督)
出版社: バジリコ
発売日: 2009年8月5日

 
【概要】
2008年12月、部員の不祥事により監督を辞任。明けて2009年1月、箱根駅伝で手塩にかけたチームは往路・復路を制覇し悲願の完全優勝を果たす。シドニー五輪男子マラソン代表選手にして元東洋大学陸上競技部監督、川嶋伸次が綴る「走り」へのオマージュ。
 
 
【感想】
2009年正月に初優勝、2010年正月に2連覇と、黄金時代到来も予感させる大躍進をしている。
その裏には、2008年12月の不祥事で退任した川嶋元監督の影響は大きいと思っていたが、この本を読んで確信へと変わった。
川嶋氏の陸上競技に対する情熱や知識は深い。文章の端々から伝わってきた。
 
「練習メニューについて、~中略~、基本的な素材とレシピがあっても、最終的には微妙な味つけが勝負を決めるというわけだ。私自身、非常に悩みながら試行錯誤を繰り返した部分でもあった」
 
「自主性に任せた指導は、「人間力」を育てると信じている」
 
「ランニングという競技は、100%満足することがない競技だと思う。それは、ゴールしたときに、新しい課題が見つかるからだ。今までで最高のレースをしても、そのゴールは次の新たな目標のスタートになる
 
数ヵ所抜粋させてもらったが、心に響くランニング論だった。あ~僕もそう思うという点は多かったが、さすが実業団のエリート選手、さすが五輪選手だなっと、次元の違う意見も少々あった。
 
初優勝時に、祝勝会に呼ばれ選手に胴上げされたエピソードがあったが、この本全体が小説のように蘇り、川嶋氏の努力と苦悩を思い出し、涙が出そうだった。
この感動があるから走るのは辞めれない、辞めたくない!
 
やっぱり駅伝は最高だなっと改めて感じた本でした。